時代



モン刺繍

発祥:タイ・ベトナムなど

使用民族:モン族

中国から東南アジアに移住し、「モン族」と名乗った
山岳民族の伝統的な刺繍。クロスステッチと藍染めを
基本にする工芸品で、象の足跡を象ったと言われる
独特の渦巻き模様が特徴的。なお「メオ」とも呼ば
れるが蔑称なので注意。

発祥:日本

鱗をモチーフに二等辺三角形を上下左右に連続して
規則正しく並べた模様。その歴史は古く、弥生時代
中期頃の銅鏡や、古墳の壁画や土器にも使われている。
日本では厄除けの文様として使うようになった。
(蛇の鱗を連想することから、脱皮→厄を落とし再生する、
という考えに基づく。)

モザイク

発祥:古代ローマ、イスラム建築等各地

語源:ラテン語で芸術的

小さな片を集めた模様がモチーフとなっていて、
様々な地域で使われていた手法で、特に壁画や
建物の装飾として用いられていた。

市松模様

発祥:日本

石畳、霰(あられ)、元禄模様ともいう。江戸時代(1741年)、
人気歌舞伎役者の佐野川市松の袴(はかま)に用いられていたことが
名前の由来である。英語ではチェッカーという。
江戸時代以前では石畳模様と呼び分ける事があり、
古墳の埴輪や正倉院の染織品などにも見られ、歴史は古い。
子孫繁栄や事業拡大など縁起の良い模様として好まれている。
2020年の東京オリンピックのエンブレムにも用いられている。

亀甲(きっこう)

発祥:日本

名前の通り、亀の甲羅に由来している文様。ハニカム模様とも呼ばれる。
昔から亀は長寿の象徴であり、縁起の良い吉兆文様として多用され、
出雲大社の紋にも使われている。亀甲文様には派生文様があり、
亀甲つなぎ・亀甲花菱・毘沙門亀甲などが代表的である。
平安時代に有職文様として定着し、その後は陶器や着物の小紋に
使われた。今でも帯締めや帯地などに使われることが多い。

青海波(せいがいは)

発祥:日本

「青海波」という雅楽の演目の衣装の柄に使われていることが名前の
由来となっている。ペルシャ・ササン朝様式のものがシルクロード
を経て、飛鳥時代に日本に伝わったとされる。“無限に広がる波のように”
幸せが未来永劫続くように、“海がもたらす恩恵”から平安な暮らしへ
の願いが込められている。

アラベスク

発祥:イスラム文化圏

フランス語で「アラビア風の」という意味。モスクの壁面装飾に
みられるイスラム美術様式の一つ。またそれをモチーフとした
模様の事。偶像崇拝を禁じているイスラム教において、紋様に
よって無限の唯一神アラーの創造を象徴している。蔓や葉などの
植物やアラビア文字のモチーフが、 左右対称・反復したデザイン
の幾何学的装飾模様。唐草模様のルーツともいわれている。

双喜紋

発祥:中国

中国語で“双喜纹 shuāngxǐwén”、「喜ぶ」という漢字を二つ並べた
文様で、おめでたさを表す。中国では陶器や布、家具などに用いて
“双喜临门 shuāngxǐ lín mén”(二つの喜び事がやってくる)、
“喜上加喜 xǐshàng jiāxǐ”(喜びに喜びが重なる)意味を表して
いる。双喜紋の文様を作ったのは北宋の政治家・詩人・文章家の
王安石(1021~1086)だと言われている。また、双喜紋は円の中に
収まるように変形したり、比較的自由に変化したりすることが多く
なっている。

矢絣(やがすり)

発祥:日本

矢羽根を繰り返した模様で、本来は矢羽模様の絣をさしていた。
日本では古くから和服や千代紙などに使われていた。
射た矢が戻ってこないことから、結婚時に持たせる縁起柄である。
英語ではアロー・ストライプという。

麻の葉

発祥:日本

六角形の幾何学模様。麻の葉に似ていることが名前の由来。
平安時代から仏像の装飾などに使用されてきた。
麻の成長が速く丈夫であることから、子供が健やかに成長する
縁起のよい模様とされる。赤ちゃんの産着(うぶぎ)やお宮参りの
襦袢に使う風習もあり、男の子は青、女の子は赤を使用した。

観世水(かんぜみず)

発祥:日本

常に変わりゆく無限の様を表わした渦を巻いた水の文様。
能楽の観世家が紋に使用したことに由来する。
扇や本の表紙などに多く見られる。

タータンチェック

発祥:スコットランドのハイランド地方

語源:不明(フランス語のティルタン、もしくはスペイン語の
   ティレターニャが語源とする説が有力)

経(たて)と緯(よこ)同色、同本数の多色づかいの格子柄をモチーフ
としていて、元はスコットランドの民族衣装に使われていた。スコット
ランドで氏族を表す紋章や儀式用の飾り章に用いられた。

紗綾形(さやがた)

発祥:日本

紗綾(さや)とは、絹織物の一種。紗綾に卍(まんじ)を斜めにかさねた
「万字繋ぎ」(紗綾形)が頻繁に織り出されたことから、紗綾形と呼ばれる
ようになった。日本では女性の慶事礼装の代表的な文様で、不断長久の
意味合いを持つ。

チマヨ

発祥:アメリカ チマヨ村の住民

チュロと呼ばれる、毛が長い羊の毛を使って織られるチマヨ織の代表的な
柄のひとつ。幾何学的なひし形モチーフが特徴的

ペイズリー

発祥:インド

松かさや、菩提樹の葉、ざくろ、ヤシの葉、生命樹等をモチーフとした、
ペルシャやインドのカシミール地方を由来とする緻密で色も多彩な模様。
またはこれらの模様を使った織物の事。生命力をテーマにしている。
日本では勾玉(まがたま)模様や松毬(しょうきゅう)模様とも言われる。
兵士が持ち帰った織物を1800年頃にイギリスのペイズリーで生産された
ことによる命名で、ファッションや絨毯、バンダナ等の小物の艶やかな
装飾柄として使用され、最近はネイルデザインなどにもみられる。元々は
高度な技術を要する織り柄だが、現在はプリント柄としても普及している。
カシミヤ・ショールの伝統文様でもあり、カシミール模様などとも呼ばれる。

キストゥ

発祥:スワヒリ

細かい文様がモチーフとなっていて、花嫁の衣装や特別なときに着用され、
メッセージが書いていないのが特徴。幸福になるようにと、願いが込めら
れた細かい伝統模様が整然と並んでいる。ドットやクロスが使われること
が多く、ドットは 人の本能、三つ目の目などを意味し、クロスは救急車や
救護院に見られるクロスに似ている。2つ合わせて不吉なことや縁起の悪い
ことから守るという意味があると言われている。

カモフラージュ(カモフラ柄)

発祥:フランス

緑や茶色等の自然に存在する色をモチーフとしていて、元は軍隊が風景に
紛れ見えにくくする迷彩として作られた柄。最初からフランスでは
ファッションデザインとしても採り入れられていた。
色んな地形に合わせたカラーリングやデザインの種類がある。