「データの視覚化を楽しみながらプログラミングを学ぶ」教材について


プログラミング学習では,数学や工学など、社会での従事者や学習者の多くが男子である分野の題材が取り上げられることが多い傾向にあります。Cheryanら[1]やMetaxaら[2]は、情報科学(CS)教育の教室環境や教材デザインが、女子のCSへの自信や継続してCSを学ぶ意欲に与える影響を研究し、男子的(masculine)と考えられているデザインの教室や教材が女子に否定的に作用することを示しています。
勿論、男女ともにロボットや電子工作の題材でプログラミングを興味をもって学んでいます。ただ、男子的題材だけがプログラミング学習教材として使われることで、現実社会でのジェンダー不均衡を学習現場が隠れたところで強化してしまう可能性を危惧します。

ジェンダーインクルーシブを意識したプログラミング教材開発を目指し、理系文系を問わない、多様な分野の学びをする学生が興味を持てるよう、データの視覚化を題材として取り上げ、プログラミング学習を進めたいと考えています。 本教材は、その考えに沿って2021年より開発を始め、現在に至っています。 学習者自身が関心のあるデータを選択し、それを動的で、インタラクティブなインフォグラフィックとして表現するプログラムを作成することを目指します。

本教材は、学術研究助成基金助成金(課題番号21K02790)の助成を受けた研究の一環として作成されています。

【参考文献】
[1] Charyan, S. et al.: Classrooms matter: The design of virtual classrooms influences gender disparities in the computer science class, Computers & Education, 57(2), 1825-1835 (2011).
[2] Metaxa, D. et al.: Gender-Inclusive Design: Sense of Belonging and Bias in Web Interfaces, Proc. CHI Conference, 1-6 (2018).
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