プログラミングの基本要素
変数
変数は、データを保持するためのメモリ上の「入れ物」のようなものです。 変数には名前がついていて,そこに入れた値を後で参照したり,変更したりできます。 変数を使うには,次のように変数の型と名前を記述して、「変数の宣言」をします。変数の型 変数名;変数名は,英数字,アンダースコア(_)からなる文字列で,名前の先頭は数字以外の文字にします。名前の長さは任意です。ただし、Javaやprocessingがキーワードとして使う文字列(予約語)は使えません。
変数の型は、その変数に入れるデータの型を指定するもので、基本データ型と呼ばれる型を指定する場合と、クラス名を指定する場合があります。データがクラスのオブジェクトである時、データ型にクラス名を指定します。
・基本データ型 整数 int 【変数宣言の例】int x; 実数 float 【変数宣言の例】float abc; 真偽値 boolean 【変数宣言の例】boolean state; ・クラス名 String 【変数宣言の例】String str; Stringは文字列のためのクラス同じデータ型の変数を複数宣言する場合、
float x; float y;と書く代わりに、次のように変数名をカンマでつなげ、データ型を省略することができます。
float x, y;変数を宣言すると、デフォルトの値が代入されます。int、floatはゼロ、booleanはfalse、クラスの場合はnull(何も入っていないことを示す特別な値)です。宣言すると同時に値を入れる(代入)することができます。これを初期化といいます。
int a = 100; //int型(整数)の変数aを宣言し、100で初期化この例のように、整数が入る基本データ型の変数の場合、メモリ上の変数の場所にはその数値そのものが格納されます。
一方、オブジェクトが入る変数の場合は、異なります。変数に値を代入する前に、メモリ上にオブジェクトが作られているはずで、変数に格納されるのは、そのオブジェクトがあるメモリ上のアドレス(ポインタとも言う)です。そのため、オブジェクトが入る変数のデータ型のことを参照データ型と呼びます。
定数
プログラムの中に書かれる固定の値が定数で、リテラルとも呼びます。・基本データ型 整数intの定数は、例えば10や2013 実数floatの定数は、例えば12.3や10.123 真偽値booleanの定数は、trueまたはfalse ・クラス名 Stringクラスの定数は"abc"や"kyoto"のようにダブルクォーテーションで囲んで表す。 (文字列定数)
文
プログラムに記述する命令の単位を「文」と呼びます。セミコロンによって文の区切りを表します。次のような処理をする文があります。
- ・計算をして、式の値を変数に入れる(代入する):(算術演算子参照)
【例】 a = 1 + 20;
- ・関数を実行する:
【例】line(100,100,150,200);
- ・オブジェクトを作って変数に入れる:(クラスとオブジェクト参照)
【例】 変数 = new クラス名(引数);
算術演算子
算術的な計算をするには、次の算術演算子を使います。演算子 | 意味 |
+ | 足し算 |
- | 引き算 |
* | 掛け算 |
/ | 割り算 |
% | 割り算の余り 例:x%3 |
++ | 1を加える 例:i++ |
-- | 1を引く 例:i-- |
int a = 100; int x = a * 3;%は余りを計算する演算子で、次の文でaの値は1になります。
int x = 10; int a = x%3;
+演算子は足し算をする以外に、特別な働きをします。文字列に対して+演算子を使うと、2つの文字列をつなげます。例えば、 "Sensory" + "Vision" の演算結果は、"SensoryVision"になります。processingでprintln("Value: " + x);と書くと、"Value: 数値"が、画面下部に表示されます。数値は変数xの値です。
コメント
プログラムに関する説明文をコメントと呼びます。コメントをプログラム内に書いておくと、どのような処理をさせているかが、すぐにわかるので、他の人のためにも自分のためにも便利です。コメントの書き方には次の2種類があります。- ・//の後ろ行末までがコメントとなる。
- ・/*と*/ではさんだ部分がコメントとなる。