ビリンバウ

ビリンバウはブラジルの民族楽器で、打楽器の一種。弓矢を棒(「バケタ」と呼ぶ)で叩くという、原始的な構造である。 共鳴楽器として、中身をくり抜き乾燥させたヒョウタンを使用する。音程の調整は石(「ペドラ」と呼ぶ)またはコイン (ドブラウン)で行う。この楽器は、主にブラジルのダンスのような格闘技、カポエイラで使用される。

ウドゥドラム

ウドゥドラムは、ナイジュリアのイボ族の宗教儀式で使われていた陶器型の楽器である。「ウドゥ」とは素焼きという意味で、 陶器の側面に穴があいている。穴のあいた部分を手のひらで押さえ込むようにして叩くと「ドゥーン」といった深みのある独特の 低音がなるのが特徴的。

アンクルン

アンクルンとはインドネシアの竹製の打楽器で、中をえぐってオクターブに調律した2本の竹筒とそれをつなぐ竹枠からなり、 ゆすって竹筒と竹筒をぶつけて音を出す。音程は竹の長さ・太さによって異なり、ハンドベルのように何人かで分担して音階を形成する。 12世紀〜16世紀頃、豊作を祈願した祭礼で用いられていたが、現在は幼稚園やリハビリセンター、文化交流などで利用されている。

カホン

カホンは、ペルー発祥の打楽器の一種。楽器自体に跨って演奏する箱型のもので、打面が木製である。中が空洞の直方体の形状で、 前面に打面、反対の面にはサウンドホールが空けられている。奴隷として連れてこられたアフリカ人が、タンスや引き出しや木箱を 叩き始めたことが、カホンの始まりといわれている。主にラテン音楽やフラメンコの演奏に用いられる。

スティールパン

スティールパンは、ドラム缶から作られた音階のある打楽器。19世紀半ばにトリニダード・トバゴを占領していたイギリス政府により、 ドラムの使用を禁止されていた黒人たちが、身近にあったビスケットのカン類などを楽器として使用し始め、叩く場所によって音が 違うことに気付いて作られたものが、スティールパンの発祥とされている。独立後、先進国への移民奨励によって世界中に広まり、 1992年、正式に国民楽器に認定された。

キハーダ

キハーダは、体鳴楽器に分類される打楽器の一つでラテン音楽で使われる楽器である。ロバや馬の下顎の骨を乾燥させることで 歯肉を取り除くと、歯と骨に遊びができ、骨についたまま歯が自由に動くようになる。これを振ったり、叩いたり、棒などで こすることで音を出し、楽器として用いる。時代劇の効果音などでよく使われる「カーッ!」というピブスラップの音の代用元でもある。