コンピュータウィルス
コンピュータウィルスは、人間によって作られたプログラムで、自分自身を複写したり、他のプログラムに自分自身を付加することで、感染対象を拡大していきます。
コンピュータウィルスの定義
通産省が告知した「コンピュータウィルス対策基準」では、コンピュータウィルスを、第三者のプログラムやデータベースに対して、意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムで、次のひとつ以上の機能をもつものと定義されています。
- 自己伝染機能
- 自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーし、またはシステム機能を利用して自らを他のシステムにコピーすることにより、他のシステムに伝染する機能
- 潜伏機能
- 発病するための条件(特定時刻、一定時間、処理回数)を記憶し、その条件が満たされるまで症状をださない機能
- 発病機能
- プログラムやデータなどのファイルを破壊したり、もともとの動作と異なる動作をする機能
コンピュータウィルスの感染対象
生物ウィルス同様、コンピュータウィルスが感染対象を選びます。
- ファイル感染型
- プログラムファイルに次々と寄生感染しながら、伝染するウィルスです。感染したプログラムを起動することで、ウィルスが実行され、他のプログラムファイルに再感染したり、発病したりします。感染したプログラムを受け渡すことで伝染しますので、WebページからダウンロードしたプログラムやCD-ROMのサンプルソフトウェアなどから感染していきます。
- ブートセクタ感染型
- ハードディスクのマスターブートレコードやブートセクタ、フロッピディスクのブートセクタに感染するウィルスです。感染したフロッピディスクからコンピュータを立ち上げると感染します。
- マクロ感染型
- MicrosoftのWordやExcelのデータファイルのマクロ機能を使って感染するウィルスです。世界中で猛威をふるっています。1998年にIPAに報告された感染被害の約8割がマクロ感染型でした。
最近猛威をふるったコンピュータウィルス...Melissa
MicrosoftのWordのマクロ機能を利用したウィルスで、ウィルスに感染したWordファイルを開くと、そのパソコン上のWordに感染し、その後に編集したWordファイルにも感染します。
Microsoft-Outlookを利用し、アドレス帳に登録されている宛先上位50位に対してウィルスに感染したファイルを添付した電子メールを自動送信します。送信簿には記録が残りますが、ユーザがメールの送信に気づく可能性は小さく、知らないうちに知人にウィルスを送りつけていることになります。
メールの件名は「Important Messeage From "ユーザ名"」
本文は「Here is that document you asked for .... don't show anyone else」
となります。
Melissaはデータを改ざんしたり、ファイルを消去するような発病機能はもっていませんが、ねずみ算的な感染力のためにメールの洪水を起こし、ネットワークやメールサーバを麻痺させる可能性があります。
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